【ポケモン剣盾s9使用構築】紙一重バルジピクシー【最終77位/2076・第14回葉桜杯優勝】
初めまして、ぎらぽけです。
剣盾から対戦を始めて約半年、最終二桁フィニッシュ・葉桜杯優勝と自分にとって大きく実りのあるシーズンだったので備忘録として構築記事を残したいと思います。
記事を書くのが初めてなので読みにくい部分も多々あると思いますが、こだわった構築なので最後までお付き合い頂けると嬉しいです!
コンセプト
・相手に圧力をかけながらサイクルを回し、バルジーナもしくはピクシーで詰める
・構築段階で試合中の択を減らす努力をする
構築経緯
エースバーンやトゲキッス等の環境トップのポケモンを中心としたスタンダードな並びでは構築の完成度・プレイング共に上位の方々に勝つのは難しいと感じ、それに対しメタを張った構築をつくることを決めた。
最も尊敬しているプレイヤーであるなごしさん(@quibo_lopunny)のシーズン4の構築の中で、自分が使い慣れていたアマガピクシーの並びを参考に構築を組み始めた。
1.
自分の中でこの並びは物理受け+ピクシーという解釈であったが、環境トップのエースバーンに隙を見せるアーマーガアに物理受けの役割を一任するのは厳しいと感じ、物理受けの枠にエースバーンに弱くないポケモンであるバルジーナを採用した。物理受けの枠をウインディにしたウインディ+ピクシーのような並びも多く見かけたが様々な理由(後述)から最後までバルジーナを使い続けた。
2.
バルジピクシーで重いジバコイルやナットレイ等の鋼への解答。また、ラムを持たせることで環境に多かったカバルドン+ギャラキッス等の並びに対して非常に強く出ることができる点を高く評価しヒートロトムを採用。
3.
ここまでの三体は非常にステロの刺さりがよく、サイクルを回す上で大きな障害となってしまうので、多くのステロ撒きに強く襷まで貫通することができる連撃のウーラオスを採用。特にやや数を増やしていたドリュウズに強く出られる点が良かった。
4. (→ )
サイクル下でボルチェン+水の一貫をまとめて切ることができ、中盤に多かったジバコイル+ウオノラゴンに対して強いガマゲロゲを採用。毒やステロなどを覚え定数ダメージを稼げる優秀なポケモンだったが、終盤はジバノラゴンが体感減っていたこと、狭い役割対象以外に強い動きが取れないことを嫌って解雇した。
5.
ウーラオスを見て出てくるマリルリ・アシレーヌやピクシーで受けることができない珠リザードンに対しての解答、またチョッキを持たせることで幅広い範囲にダイマックスの撃ち合いで勝てる点を評価しパッチラゴンを採用。
6.
エースバーンのダイナックル連打からこちらのサイクルを崩されることが多かったため電気の一貫を切ることよりも格闘の一貫を切ることが重要であると感じ、幅広い範囲に誤魔化しを効かせつつダイナックルに対しての牽制ができるスカーフミミッキュを採用。
バルジーナやウーラオスの持ち物を色々試しながら、この並びで終盤を戦った。
個体解説
バルジーナ
性格:図太い
特性:防塵
持ち物:アッキの実
実数値(努力値) 217(252)-85-172(252)-x-116(4)-100
調整 物理全般を受けたいのでHB特化
技構成:イカサマ / 羽休め / 毒々 / 鉄壁
エースバーンに弱くない物理受け。ウインディやカバルドン等との差別化点としては、
- エースバーンと攻めの補完が優れているゴリランダーにも強い
- ピクシーと組ませることで悪+フェアリーの並びを自然と作ることができドラパルトの技の一貫を切れる
- 相手の引き先に何らかの有効な負荷をかけることができる
等。ピクシーと並べることで全てのドラパルトに勝てる点、引き先の特殊アタッカーやポリゴン2に毒を入れることができる点など、あらゆる面でピクシーとの相性は抜群だと感じた。
特性はカバルドンやよく撃たれるダイロック、ダイアイスを意識して防塵を選択。
持ち物はアッキの実。消費アイテムであり2サイクル目以降役に立たないため意味がないと思われることが多いが、かなりこだわったポイントでコンセプトである択の解消を目指して採用した。
具体的には初手にバルジーナを投げた際の物理アタッカーとの対面。例としてエースバーン、悪ウーラオスとの対面を想定する。
相手の持ち物が珠や鉢巻等の火力アップアイテムを持ち無理やり突っ張ってくる(陽気珠エスバのカキュウが52.5%~、意地鉢巻ラオスのインファが54.5%~)ことまで考えるとこちらは鉄壁もしくは様子見の羽休めから入らなければいけないが、それでは相手が特殊アタッカーなどに引いてきた際に無償降臨を許してしまう。
かといって毒やイカサマなどから入ると上から二発で倒されてしまうリスクがある。こちらの遂行速度が遅い分相手は一度突っ張る選択肢がある以上、このような持ち物のわからない初手の有利(っぽく見える)対面ほどに重要な択はないと考えていたのでアッキを持たせるという結論に至った。
実は上記の攻撃はアッキ後でも低乱数で落ちてしまうが多くのプレイヤーが裏に引いてきたこと、意地の採用率や乱数が低いことまで考えると、アッキを持たせることで初手の有利対面で毒を押すという行動を一貫させることができるところが非常に心強かった。
単純に物理ダイマへの後投げや対面的な動きで詰めていく際にも役立った。
このポケモン自体、挑発や吹き飛ばしなどの優秀な技を覚え、長期サイクルを見据えた厚底ブーツや連撃ウーラオスに対して強く出られるゴツメなど持ち物についてもカスタマイズ性能が高いのが魅力。
ピクシー
性格:穏やか
特性:天然
持ち物:食べ残し
実数値(努力値) 202(252)-x-93-115-156(252)-81(4)
調整 特殊全般を受けたいのでHD特化
技構成:ムーンフォース / 瞑想 / 守る / 願い事
最強の特殊受け。環境トップのポリゴン2とそれを起点に崩しを狙う瞑想ファミリー(
)たちにすべからく強い。トゲキッスは珠やピントレンズまで考えると安定して受け出せるとは言えないが、環境にいるトゲキッスは悪巧み前提の火力を削った型が多かったので今期はジバコイル以外の特殊アタッカーには割と安定していた。
守る+願い事+残飯による時間稼ぎの性能が非常に高いため、バルジーナの毒と非常に相性が良い。裏を返せば被弾回数がどうしても多くなってしまうポケモンであり急所や放電麻痺、また、エアスラ怯みで突破されることもあるので一番願い事をしていたのは自分かもしれない。
特性天然でポリゴン2のダウンロードを無効化できるので構築段階で他のポケモンの調整を変えずに本来の強さを保ったまま採用できるところが非常に良いと感じた。しかしC特化はかいこうせんダイアタックに後出しが怪しいのとダイスチル持ちは厳しいので切っていた。
トレースのポリゴン2やマジフレ日差しのトゲキッスには負けないが勝てるわけでもないのでサイクル下で毒を入れるか数的有利をとってTODする。
ミミッキュ
性格:陽気
特性:化けの皮
持ち物:こだわりスカーフ
実数値(努力値) 143(100)-112(12)-132(252)-x-126(4)-147(140)
調整 S:最速ギャラ抜き
H:皮ダメ最小 8n-1
B:振り切り 目安として陽気エースバーンのカキュウ 80.4~95.1%
AD:余り
技構成:ゴーストダイブ / 電磁波 / 鬼火 / トリック
BSミミッキュ。便利な誤魔化し枠で幅広い範囲に対し受け出しから鬼火や電磁波を撒ける珍しいポケモン。初手に出し相手を機能停止させるのも良し、数的有利を取った後ミミッキュ+バルジorピクシーで詰めていく動きもシンプルに強かった。
先発で出すことも多いポケモンなので、初手対面でトリック後のエースバーンのカキュウは確実に耐えたい+ワンチャン皮ダメを耐えれば一旦裏に引いた後再展開できる!と考えここまでHBに振ったがこれでも陽気カキュウ+皮ダメが乱数50%だったのであしからず。そういったシーンにあまりならなかったのと、削りを入れたい場面も多かったのでこの調整が最善とは言えなさそう。
便利さゆえに選出が難しいと感じたが、化けの皮と高い素早さによる二重の行動保障で最低でも一体は機能停止にできるのが偉く出した試合では毎回活躍してくれた。
ヒートロトム
性格:臆病
特性:浮遊
持ち物:ラムの実
実数値(努力値) 143(140)-x-128(4)-142(132)-129(12)-147(220)
調整 S:最速ギャラ抜き
H:砂ダメ最小 16n-1
BD:ダウンロード調整
C:余り
技構成:ボルトチェンジ / オーバーヒート / 悪の波動 / 悪巧み
今期のMVP。一致ボルトチェンジと優秀な耐性から優れたサイクルパーツとなれるだけでなく悪巧みによる崩し性能も兼ね備えたポケモン。あとかわいい。
環境のほとんどの構築がカバルドンやキッスを採用しており頻繁に選出されたので、それらを起点に悪巧みをすることで取り巻きの並びごと大きく崩すことができる。終盤は+2ダイバーンで落とせないHDカバルドンが体感増えていてもどかしい印象だったが、巧み後のダイマで環境トップと互角以上に戦える撃ち合い性能は健在だったので愛用していた。
耐久にあまり振らないロトムは思っていたより柔らかく眠るが欲しい場面もあったがドラパルト・パッチラゴンへの打点として悪の波動は重宝したため切れなかった。ちなみにピクシーの願い事で7割ほどHPを回復できるのでヒートロトムへの打点が乏しいポケモンに対しては消耗をあまり気にせず無限回投げることができる。
悪巧みをしたトゲキッスとヒトムが対面することが多く常にダイマ択になってしまう(ヒトム側がダイマを切らなければダイマトゲキッスに撃ち負けるが、ヒトムのダイマにポリゴン2等への引きを合わされダイマを枯らされると2サイクル目のキッスに負ける)ためこのポケモン単体でトゲキッスを見ることはできない。
が、この構築では と並べることでこれを解消し、巧んだキッスに対し一切の択を生むことなくボルトチェンジを一貫して押すことができるのが非常に偉い。
➀キッス突っ張りダイマ→ピクシーで完全に受けきることができる➁電気技読みカバ引き→悪巧みから崩すことができる
➂それ以外→こちら側が一方的に有利なポケモンを繰り出すことができる
このように最強の崩し枠であるトゲキッスに対して常に有利を取ることができ、明確な処理ルートを確立できたことが立ち回りに大きな余裕を持たせてくれた。
ウーラオス(連撃)
性格:陽気
特性:不可視の拳
持ち物:命の珠
実数値(努力値) 175-182(252)-121(4)-x-80-163(252)
技構成:水流連打 / インファイト / アクアジェット / アイアンヘッド
ステロ絶対撒かせないマン。雨で裏へのカキュウの負荷を軽減できるので通常ダイマ個体。始めはスカーフ蜻蛉で運用していたが、他の5体が剣舞ドリュウズに勝てないのでダイマックスドリュウズまで水流連打でワンパンできる命の珠に変更。誰も使っていなかったが、水+格闘の広い技範囲+先制技を撃ち分けながら高火力を押し付けられる珠との相性は非常に良いと感じた。ちなみに意地ならダイストリームでHBカバが75.0%で落とせる。
追加効果の優秀さとミミッキュ意識でアイへにしたが、この枠は雷パンチ等との選択。この構築では撃つ相手がいないのと抜き性能を求めていなったので燕返しは採用しなかったが無難に強そう。
型の匿名性からウーラオスのことをトゲキッス等で広く浅く見るような構築が非常に多かったため、警戒されない珠ダイスチルやダイサンダーで一気に数的有利を取ることができた。鉢巻だと無振りでも乱数が絡むので、珠だからこそできるプレイングだった。
相手視点で有利(っぽく)見える対面かつ裏にヒトムピクシー等が見えている分ダイマを切られにくいのも構築的に良かったと感じる。
パッチラゴン
性格:意地っ張り
特性:張り切り
持ち物:突撃チョッキ
実数値(努力値) 166(4)-167(252)-110-x-90-127(252)
調整 陽気で抜きたい相手がいなかったので準速
端数4はHじゃなくてよい
技構成:電撃嘴 / 逆鱗 / けたぐり / 燕返し
高火力重戦車。チョッキによる耐久確保でエスバゴリラ、リザキッス等幅広い範囲とのダイマの撃ち合いに負けないので誤魔化し性能が非常に高いのと、受けに対し数的有利を取りやすいところが良かった。
また、選出画面での誘導力が凄まじく、このポケモンの処理をカバルドンに一任している構築が多かった(実際ほとんど選出された)ので裏のヒトムで起点にしていく動きが強力な勝ち筋だった。
けたぐりの所を炎技にしているパッチラゴンが多い印象だったが、炎技を撃ちたい相手には格闘技でよく、何よりジェットナックル後の圧力と無敵感がすごかったので重宝した。ミミッキュにアッキを食べさせない火炎放射も考えたがナックルのメリットの方が大きかったのと裏にB上昇があまり関係ないので技構成はこのまま使い続けた。
パッチで崩すと決めた試合では初手にドラパと対面した時もダイマックスを切っていた。裏にフェアリー2体を並べているので交代読みしてくるならアド、鬼火や壁ならそのまま対面突破、終盤多かった特殊珠ドラパルトも流星ドラグーンを耐えるので裏に引いて後手に回るよりは良い展開になることが多かった。身代わりを置かれることも多かったがドラグーンの追加効果ですり抜け特殊かクリアボディ物理か判別できる。できるだけなのであまり意味はない。
選出
基本選出
→強い水タイプ(ミトムアシレマリルリ等)がいない構築に。エスバに出し負けたくないので初手にバルジーナを置き、サイクル下でヒトムの悪巧みから崩し裏で詰める。
ヒートロトムの枠は次のように相手に応じて変えることも多い。
→ヒトムを展開させにくい水タイプに。カバがいなければ出しやすい。
選出②内から2体+or
→こちらの崩し枠の刺さりがよく攻めの補完がとれている場合。カバ+アシレ等や受けに対してはこの選出をする。こちらの崩し枠は総じてドラパに強くなく物理か特殊かを読み違えると一瞬で崩壊するので注意が必要。受けから展開し後手に回りたくなかったので終盤はこの選出を頻繁にしていた。
→受けループやパッチラゴン等のバルジーナで受けられず崩し枠でも安定して倒せないポケモンが多い構築に誤魔化しとして投げていたが、終盤に投入したこともあり最後まで選出パターンを確立できなかったので諸説枠。ただ初手ダイマ等で数的有利をとったあとミミッキュ+ピクシーで詰める動きは強かったような気がする。
いろいろ
(以下敬体)
第14回の葉桜杯で優勝することができました。
対戦のアーカイブはこちら
環境の最先端を知れる場であり、また、予選・本戦通して多くの方々と交流できる場でもあります。つまり出るだけでアドです。お得ですね。
ランクマ二桁とともに自分が目指していた目標の一つだったので優勝できたのは純粋に嬉しいです。月の最後以外は毎週金曜日の21:00~24:00に予選の仲間大会、予選の上位8名で日曜21:30~の 決勝トーナメント(BO3)が行われているので、時間が合う方は是非に。
ここからは本当に自己満の雑記なのでお暇な方だけ読んでください。
今世代は、といっても前世代をやっていたわけではないので知ったような口は聞けないんですが、ダイマックスという要素の存在により対面の有利・不利がはっきりしていないような気がしています。
攻めという観点なら、先制技やスカーフで縛っているような対面でも、ダイマックスにより強引に耐えられて突破されたり。スカーフでのスイープや高火力先制技による縛り(腹太鼓マリルリが最たる例ですが)が前作と比べてやりにくそう、というのがエアプなりの個人的な感想です。
受けの観点で言えば、ほとんどの技が130以上の威力で飛んでくる訳ですから、珠持ちなどを考えると安定するか?と言われると首を縦に振ることは難しいです。
攻めでも受けでも特にそのポケモンの処理を一任しているような対面の場合、これは非常に重要な択になってきます。持ち物のわからない初手なら尚更。THE FIRST TAKUってやつですね。
自分の構築ならバルジエスバ対面がまさにそれで、バルジーナをエースバーンで突破されると大体負けです。じゃあ絶対に負けないために鉄壁から入るか?というと即引きないし鉄壁を見てから引かれて結局有利対面を作られてしまいます。初手に(ほぼ)出し勝ちしているのにアドが取れないのではどちらが有利対面なのかわかりません。
攻めで言うとサザンドラヒヒダルマ対面あたりがそうでしょうか。サザンドラ側は大文字で上からヒヒダルマを縛ることで対策していたとしても、気分でダイマを切られたら負けます。かといってこちらもダイマ切りもしくは裏に引くという選択は取りづらいです。せっかくの有利対面なのでダイマされたら終わりなのがわかっていても突っ込みたいのが本心ですし実際自分なら秒で文字を押します。
こういう択を解消するには、特定のポケモンに対し複数の処理ルートを用意するのが一番だし強い方々の構築は自然とそうなっているんですが、残念ながら自分の構築力ではそれをすることができなかったので持ち物を工夫することで単体の中に対策を仕込みました。
バルジーナにアッキの実、ウーラオスに珠を持たせることでそれぞれエースバーン、トゲキッスとの対面で
バルジvsエスバ 有利「っぽい」対面を確実な有利対面へ
ラオスvsキッス 不利対面を勝ち筋のある不利「っぽい」対面へ
というように、自分だけに見える選択肢や余裕を持つことができます。いわゆる地雷要素で何回も通用するものではありませんが、「こうされてもいい」・「こうしてもいい」という安心感があったのが何より良かったです。
総括してみると、自分のメンタルが強ければもう少し上に行けていたかもしれないと思えるほどの構築でした。初めての二桁で嬉しさ半分、溶かすことを恐れ二桁台で保存してしまったことへの悔しさ半分といった幕引きになりました。
感謝
お忙しい中記事作成を手伝っていただいたひらりんさん
記事の引用を快く承諾してくださったなごしさん
葉桜杯運営の皆さん
そのほか応援してくださった方々や頑張ってくれたポケモンたち
本当にありがとうございました!
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